リーガル・
アップデート
欧州司法裁判所(ECJ)のローン契約の早期返済に関する判決
欧州司法裁判所(ECJ)は、消費者ローンの早期返済について取り上げた。欧州司法裁判所によれば、消費者がローン返済の合意期限前にローンを完済した場合、消費者は、ローン契約にかかる費用を削減する権利、いわゆる減額請求権を有する。これらの費用の中には、ローン契約の期限に関係なく支払われる初期の事務費用や手数料が含まれる。今回の判決に基づき、対応するオーストリアの法律(消費者ローン法、抵当および不動産融資法)も変更される(ECJ C 383/18 dated 11.09.2019)。
2020年7月17日欧州証券市場監督局(ESMA)の非金銭的利益における説明の公表
欧州証券市場監督局(ESMA)は、第2次金融商品市場指令 (Markets in Financial Instruments Directive 2; MiFID II-Directive)に関するオンライン上のQ&Aを更新した。第2次金融商品市場指令は、特に、投資家保護を中心に規制を行っている;オーストリアにおいては、これらのルールは証券市場監督法(Wertpapieraufsichtsgesetz)において実施されている。具体的には、欧州証券市場監督局は、投資会社はその投資家に、投資会社が第三者から受ける非金銭的利益を開示する必要があるとしている;この義務は、ポートフォリオ・マネジメント以外のサービスや、付随サービスなどの独立した投資アドバイスを提供する場合にも適用される。
2020年6月19日COVID 19に係る補助金
オーストリア政府は、COVID-19危機によって経済的に影響を受けた企業を支援するための、様々な補助金を提供している。これらの補助金は、例えば、税制上の優遇措置(無利息)や社会保険料にかかる優遇措置、融資のための保証、短時間勤務(Kurzarbeit)、または、補助金(Zuschuss)による直接援助などで構成されている。これらの補助金は、今からでも申請可能で、TAIYO Legalは、クライアントに適した補助金の特定と、実際の申請をサポートしている。
2020年6月12日“マイナス金利”の可能性がまた一つ減る
借り手が銀行に利息を求めて訴えを起こした。基準金利がマイナスであったことにより、ローンの金利がマイナスになっていたことが原因である。オーストリアの民事最高裁判所(OGH)は判決で、銀行は借り手に利息を支払う必要がないことを明言した。銀行の不利益になる(または、借り手の利益になる)ローン契約の解釈が適用される場合であっても、銀行は「マイナス金利」を支払う必要はない。それでもなお、民事最高裁判所は、変則的な契約における、マイナス金利の支払いを排除していない(OGH dated 26.02.2020, 1 Ob 16/20i)。
2020年5月22日欧州司法裁判所(ECJ)による一般顧客向けのローン契約の解約権に関する判決
最近のケースで、欧州司法裁判所(ECJ)は、一般顧客向けのローン契約の解約権の問題を扱った。ローン契約において、企業は、顧客のために一定の情報を提供する必要がある。その情報内の記述において、ある法律に言及をしている場合、その法律が、また別の法律を参照している場合には、それは一連の国家規定(”Kaskadenverweis“)に分類され、特にローン契約からの解約権に関する場合には、認められないとの宣言をECJは行った。顧客は、契約上の義務の範囲を特定することも、契約に必要な情報全てが含まれているかどうかすらも検証することができないからである。また、顧客は、契約の解約期限がすでに開始されているかどうかを確認することもできない (ECJ C-66/19 dated 26.03.2020)。注:一方でドイツの連邦裁判所(BGH)は、一般顧客向けローン契約と不動産ローンに関する一連の国家規定を許容すると宣言した。
2020年5月8日