リーガル・
アップデート
法的非適格機関への上訴
一般に手続法は、上訴が提出されなければならない場所を明示的に規定している。そして、法的非適格機関に上訴が提出された場合にも、法定期間が止まることはない。そして、法定期間内に法的非適格機関によって上訴が適切な法的適格機関へ転送されれば、その上訴は期間内に提出されたことになる。法的非適格機関が不必要に長い時間にわたって法的適格機関への上訴の転送を遅らせた場合には、これは予期せぬ不可避な出来事であるとみなされ、restitutio in integrum;現状回復(法定期間をリセットすること)の理由となる。今回の判決では、上訴は、15日以内に転送されていたため、法的非適格機関が不必要に長い時間にわたって転送を遅らせたとみなされ、現状回復の理由となった。
2019年11月1日EU-ベンチマーク-規制
IBOR(LIBOR EURIBORやTIBORなどの銀行間提供金利)は銀行間ローンのための金利である。これらはまた、重要なベンチマーク金利であり、例えば、変動金利で組むローンの契約などにおいて参考にされる。IBORは、専門家から集めたアンケートを基に計算される。過去には、IBORは改ざん(LIBOR操作)の対象であり、これらの改ざんへの対策として、EU-Benchmark-Regulationは、特にIBORの決定方法を決定するフレームワークを確立した。ベンチマーク金利の以前の計算方法は、2019年12月31日まで有効となる。
2019年9月20日判決の職場への代替通知
オーストリア、チロル州の地方行政裁判所(LVwG Tyrol) は、最近の判決で、判決の受取人の職場へ判決が送信される、代替通知の問題に対処した。判決が受取人の雇用主へ送信される場合、雇用主が自然人である場合にのみ、判決が受領されたとみなされる。今回のケースのように、雇用主が法人であった場合、判決は受信されたとみなされない。これは、また、今回のケースのように、受取人がホテルに住んで働いている場合でも、判決の代理受信者がホテルの受付係であっても例外ではない(LVwG-2019 / 13 / 1053-1、dated 07.08.2019)。
2019年9月6日株主の権利に関する指令の実施
7月に、「株主の権利に関する指令」がオーストリアで施行された。 この指令は、株主の関与、また、株主の権利の行使を改善することを目的としている。 株主は、役員の報酬(“say – on – pay”)および関連当事者との取引(“related – party – transactions”)に参加することができる。 株主は、また、「仲介業者」とよばれるもの (例:投資会社、信用機関、預託サービス・プロバイダー)によってによってさらに詳細に識別される必要がある(“know – your – shareholder”)。
2019年8月9日最終的な受益者(ultimate beneficial owners)の登録簿への変更
新しい金融調整法(EU-Finanzanpassungsgesetz)により、銀行における最終的な受益所有者の特定と検証がこれまでに比べ容易になる。 これは、最終的な受益所有者の登録簿(Register der wirtschaftlichenEigentümer)についての情報の質を向上させることによって可能となる。 例えば、弁護士のような職業団体の代表者は、将来的には最終的な受益者の登録簿に自発的に情報をアップロードするようになるかもしれない。 顧客の情報と最終的な受益者の登録簿の間に矛盾がある場合、顧客がその矛盾を明瞭にするため、銀行は、そのための猶予期間を設定することが出来る。 そのような猶予期間が過ぎた場合には、それらの情報の矛盾について、最終的な受益所有者の登録簿に記載する必要がある。
2019年7月26日